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地方部会報告記>関東部会>2003.03.15




日時: 2003年3月15日(土) 午後2時−午後5時
場所: 早稲田大学9号館5階 商学部大会議室

※報告者とテーマは以下の通り


(1)小野琢(明治学院大学大学院):
  報告テーマ「企業と社会−経営自主体的アプローチにおける企業の社会的応答」



《紹介とコメント》

 本報告の目的は、山城章の「経営自主体論」に基づくアプローチから企業の社会的応答の原理を論 ずることにあり、未だ試論の域にあるものの、経営存在の本質に迫ろうとする意欲的な報告であっ た。特に、近年の経営学では扱われることが少なくなった経営の「主体」という問題を取り上げ、山 城章、山本安次郎、高田薫など、先学の研究を踏まえて、現代の問題に取り組もうとした点は十分に 評価しうる。荒削りなところはあるが、経営哲学学会にふさわしい研究課題であり、今後の展開が期 待される。フロア−の議論も活発であった。

(三井 泉:帝塚山大学)



(2)藤原七重(敬愛大学):
  報告テーマ「情報化時代における個人情報保護と企業の競争優位」



《紹介とコメント》

 「個人信用情報とは消費者ローンやクレジットに関する情報」であり,藤原氏が報告で取り上げて いるのは,いわゆる消費者金融における「個人信用情報機関」の意義である。
 藤原氏の報告目的は,「個人情報収集と利用がもたらすメリット」と「個人情報を収集し,利用す る組織とそのビジネスが社会で受け入れられるための要件」を明らかにすることにある。報告では, 個人信用情報の定義,収集される個人情報の内容,個人信用情報機関の役割,機関類型,さらにアメ リカにおける個人信用情報機関の発展史およびその社会的ないし経済的意義などについて言及され た。
 報告者の立場は,個人信用情報機関の発展は個人の信用リスクの適切な判断に不可欠のものであ り,それは与信業者の貸出リスクの判断の適正化あるいは貸出条件の個別対応の可能性にも結びつい ており,貸し手・借り手の双方にメリットをもたらすというものである。藤原氏は,「個人信用情報 機関は,消費者信用サービスの礎である」とその意義を力説する一方で,「プライバシー問題にも配 慮しなくてはならない」ことも主張する。今後の情報化社会の進展を考えれば,個人信用情報機関と その活動にまつわるプライバシー問題は今後さらに注目されるものと思われる。

(中條秀治:中京大学)



last update:Apr.15, 2003